BOOK「憲法第九条の戦後史」

kenpoudai9jouno.jpg 憲法第九条の戦後史
 田中伸尚著
 (岩波新書:780円+税)
 ISBN/ASIN:4004309514

 
 
最初に行っておくと、この本は題名通りに第9条に関することしか書いてません。
先の総選挙で大勝した小泉自民党、大敗した前原民主党、ともに揃って憲法改正をおおっぴらに言い始めた。小泉首相の政治日程には上がっていないけど、ちょっときな臭い感じ^^;
誤解を恐れず、雨男個人の立場を言えば、改憲推進、第9条改正賛成、自衛隊の国軍化(条件付き)賛成、交戦権の明記、集団的自衛権の回復(条件付き)賛成、非核三原則の明文化と行った感じ・・・。その理由は、戦後、自民党政権が営々脈々とくり返してきた「解釈改憲」と、司法が憲法判断に採用してきた「統治行為論」という名の行政従属が許せないからだ。
 
さて、「憲法改正」というと第9条のことばかりがクローズアップされるけど、でも本当はもっと大きな視点から未来を見据えた画期的な憲法を目指して欲しいと思う。たとえば、地球環境の視点を加えるような・・・生態系や野生動物の権利まで認めるとか、少子高齢化の中で日本国民が幸福な老後をおくれる新しい基本的人権の追加とか、参議院を廃止して新しい議院を加えた二院制とか、大統領制の導入とか・・・。
まあ、日本の未来ビジョンを示せない与野党がどうがんばっても、未来につながる新しい憲法なんて期待できそうもないけど・・・。

解釈改憲・・・もし日本の隣国に「核兵器は所有しない、弾道ミサイルも所有しない」と明記した憲法があったとしたらどうだろ。しかも、その国はその条項を理由に「だから日本と戦争などするわけがない」と主張している。・・・いいことだ、平和なことだ。でも、その隣国政府があるときこう言い出す・・・「核兵器と弾道ミサイルを持つのは我が国の権利である。しかし、弾道ミサイルの発射は憲法が禁止しているからできない」・・・「だから、核弾頭を持っても日本の脅威にはならない」と。・・・ちょっと変だな、おかしいんじゃないか? ・・・さらに隣国は言い始める。「国連がいいって言ったら日本に核弾頭を打ち込んでもいいんじゃないかな・・・」「でも、我が国には平和憲法があるから、日本の脅威にはならない」と。・・・無茶苦茶だ^^;; ・・・こういう隣国を日本は信じられるだろうか?
核兵器と軍隊の違いはあるけど、なんとなく日本の「解釈改憲」と同じ論法。日本の隣国は、上の例と同じにいつ日本が「核兵器を持てる」と言い出すか心配になるんじゃないかと思う。・・・だから改憲したい。日本が国防上実行できる限界を明確にするために。
もちろん、日本の国防を明確に行い、自衛隊が国際貢献に参加できるようにも。・・・なぜなら、上の例で書いた隣国の憲法には、核弾頭の禁止も、発射の禁止も書いていないけど、核弾頭も弾道ミサイルも持っている。その上、根本的に日本という国を嫌っている。・・・そういう国が現実問題として隣にある。・・・残念ながらある^^;
統治行為論・・・これは「司法の自殺」と言われるほどひどい論理でいまさら反論を書く気も起きない。今後、憲法改正を議論するときは、できることなら統治行為論を支持する御用憲法学者だけは参加させないで欲しいものだが・・・。

●いままでに読んだ本は「山の図書館・アメダゼ文庫」を見てください。

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