ここしばらく、喘息の発作で新聞もまともに読めなかった。ようやく落ち着いたので、まとめて目を通した。
数日前、自民党の結党50周年式典があった。小泉チルドレンばかりが目立ち、この日発表された自民党の「新憲法案」の存在感が薄らいでしまった。ここで注目したいのは、「憲法改正案」ではなく、「新憲法案」だということ。・・・まあ、どちらであろうと現行憲法の改正手続きを経て成立するのだから、手続き的には憲法改正ではあるけど。
この「新憲法案」には、第9条に係わる自衛権や集団的安全保障、自衛隊の問題ばかりでなく、戦後獲得してきた環境権などの新しい基本的人権をはじめ、いくつかの改正点が含まれている。
しかし、前文を読んでも未来が見えてこない。・・・戦前の「大日本国帝国憲法」から現行憲法への移行時は、軍国主義・帝国主義から民主主義国家へ移行するという明確なビジョンがあった。でも、今回の新憲法案にはそういう明確なビジョンがない。未来の日本に向けて、新しい憲法が応えなければいけない大きな問題がたくさんあるのに・・・。
たとえば、少子高齢化による人口構成の変化を受けた福祉国家観、地域社会や家庭教育の崩壊を受けた教育観・倫理観・道徳観、情報化社会の深化を受けた個人情報保護やプライバシーなどの基本的人権など、日本国内だけの動きでも大きなものがある。
さらに、国際的な変化では、地球環境問題、経済のグローバル化、国際的な人権問題・・・。そもそも日本が国連の常任理事国になるならないという問題に対しても、新憲法は何か未来ビジョンを示す必要があるんじゃないだろうか?
ただ現状を追認するだけの新憲法案であるなら、素直に「憲法改正」と言っておいた方が一般受けしやすいと思うのだが・・・。
