BOOK「国家の品格」

kokkanohinkaku.jpg 国家の品格
 藤原正彦著
 (新潮新書:680円+税)
 ISBN/ASIN:4106101416
 
 
 
グローバリゼイションとやらで、世界中が経済主導でアメリカナイズされている。その流れの中で、お金儲けばかりが注目され、金持ちが尊敬される時代になってきた。同時に、勝ち組と負け組という格差社会が顕著になってきた。それがいいことなのか、悪いことなのかは置いておくとして、アメリカに追従していくことはすなわち国家としての品格を失うことだ。なぜなら、アメリカほど品格とは無縁な国はないからだ。そのアメリカね右にならえする日本も、当然ながら品格を失ってきた。
品格のなさといえば、高校の頃・・・かれこれ30年近く前のこと・・・アメリカの作家ジョン・アップダイクなどの小説を読んで驚いたことがある。当時のアメリカの若者を描いた小説で・・・例えば、彼女の家に遊びに行って、彼女の母親に「うるせえこと言うなよ、ババアは黙っていろよ!」というような言葉を平気で使う若者・・・。アメリカ人の品格を疑ったものだけど、いまは日本の若者も同じような状態になっている。
しかし、日本が国家としての品格を失っていくのもやむを得ないのかも知れない。なぜなら、日本を取り巻く国々・・・中国、北朝鮮、韓国と・・・アメリカに負けず劣らず品格にかける国々に取り囲まれているのだから。そんな中で、日本だけが国家としての品格を保っていくのはとても困難なことだろうから・・・。
さて、この数学者の著者は、「武士道」というキーワードで日本の品格の建て直しを提案している。たしかに精神的な支柱になる思想が必要だろうから、武士道でも構わないのかも知れないけど、まずは普通の道徳教育が必要なんじゃないだろうか? 戦前の道徳教育復活を恐れるあまり、戦後は普通の道徳教育が完全に消滅してしまった。・・・すでに、30代の若い親の道徳心すら壊滅していることを考えると、より若い世代には学校教育として普通の道徳を教えるしかないような気がする。・・・そのためにも、政治と行政、司法の健全化が最優先されるべきだろうけど・・・。
こんな感想を勝手に書きたくなるほど、この本は床屋談義的な心やすさがある。もちろん、すべてに賛成できるわけではないけれども・・・。
 
●いままでに読んだ本は「山の図書館・アメダゼ文庫」を見てください。たまにしか更新してないけど・・・。

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