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(それ)陰陽(いんよう)は混鈍(こんどん)たる中より備(そなハ)り、天神(あまつかみ)七ツの代(よ)伊弉諾冊(いざなぎミ)の両尊(ふたみこと)天の浮橋の上にて溝(みとの)交合(まぐはゐ)し、喜哉遇可美少女(あなにくやうましおとめにあいぬ)と曰(のたまふ)、是(これ)情欲(せいよく)の始(はじめ)(なり)。しかうして人間および禽獣虫魚(きんじゅうちゅうぎょ)に至るまで、交(まじわり)せずといふ事なし。やんごとなき雲の上人も、節会(せちえ)のしのび寝(ね)には百(もも)とせの命もきへなんとちぎり、猛(たけ)き武士も色情に至りてハ心をとろかし、愛(めで)たき髪(かミ)芙蓉(ふよう)の顔(かんばせ)にハ、老いたるも若きもこゝろときめき、互(たがゐ)に想(おもひ)(したふ)は此道(このみち)の情ならむ。
春野
(はるの)の雉子(きゞす)、秋の鹿、声もかたちも異なれ共、つま乞ふ思ひハかわらまじ。実(げに)や色(いろ)(このま)ざらむ雄(おのこ)ハ、玉(たま)の觴(さかづき)の底なき心地と、兼好(けんこう)のすさミも亦(また)むべなるかな。
(か)の漢王(かんわう)ハ、李夫人の容貌(すがた)を壁に画(ゑがき)ツゝ、自(ミづから)画図(ぐハと)に寄添ひて心を慰め玉(たま)ふとかや。また古(いにしへ)の越王(ゑつわう)ハ、西施(せいし)とかわすむつごとも、会稽山(くわいけいざん)の袖袂(そでたもと)ひるがへしたる錦画(にしきゑ)に淫姿(たわれすがた)をあらわして、気鬱(きうつ)の胸もうち解て、開く思(おもひ)や窓の梅、色香を秘宝館となし、好(こう)人の心をなぐさむるものならし。

鳥居清長「袖の巻」(天明五年頃)序文のパクリ

●鬼怒川秘宝殿(2001年6月) ●熱海秘宝館(2000年10月)

(2001年6月4日、割引期間ということで1500円で入館)

 
●いま、日本から「秘宝館」が消え去る危機的状況にあります。雑誌や写真集でヘアヌードが解禁され、アダルトビデオやインターネットなどあらゆるメディアで性表現が氾濫する今日、秘宝館はあまりにも子供だましで、陳腐化した展示・・・その旧態依然とした内容は、温泉観光地の健全化の逆風を受け、もはや経営が成り立たないのだろうと思います。
●しかし、なにやら怪しげな「秘宝館」という隠微な響き・・・このまま根絶やしになることを許していいものだろうか? まあ、誰も秘宝館の未来など考えてもいないんだろうなぁ〜。
●そういえば、温泉街の土産屋で必ず売っていた、ちょっとエッチっぽい粗悪な土産品も最近ぜんぜん見なくなりました。ドクロを開くとオッパイが飛び出てくるキーホルダーや、エッチな絵を覗き見られるボールペンなどなど・・・。もう、あんなものは作ってないんだろうなぁ〜。別に欲しいとは思わないけど・・・。
 

■現存している(らしい)全国の秘宝館(2006年5月現在)

◆北海道秘宝館 北海道札幌市南区定山渓温泉 ◆性神の館 栃木県宇都宮市徳次郎
◆東北秘宝館 福島県磐梯熱海温泉 ◆熱海秘宝館 静岡県熱海市
◆珍宝館 群馬県北群馬郡吉岡町 ◆元祖国際秘宝館 三重県渡会郡玉城町
◆鬼怒川秘宝殿 栃木県塩谷郡藤原町 ◆別府秘宝館 大分県別府市
    ◆嬉野武雄観光秘宝館 佐賀県藤津郡塩田町

 

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