カップ酒スタイル
いいざわ・たつや著
(ちくま文庫:800円+税)
ISBN/ASIN:448042217X
最近、カップ酒がブームになっているけど、わたしがカップ酒に興味を持ったのはそれよりも少し早い時期。まだ山登りをちゃんとやっていた時期に、信州や甲州の山に登ったときに自家用として地酒を買い、それをコンテンツとしていた事情による。一昨年辺りから山に出かけられないほど体調を崩し、それ以降、お酒のコンテンツが更新の主力になる状態になり、種類を稼ぐためにカップ酒に注目した。・・・でも、お酒の美味いマズイを書く気は毛頭ないので、単なるお酒のカタログコンテンツではあるけれど^^;;
この本を書いた著者のHPは以前から知っていた。たぶん、カップ酒に関しては国内有数のコレクションサイトだと思う。そして、日本酒そのものへの知識も深いし、蔵元まで出向く行動力もスゴイ。さらにこの本は、カップ酒でここまで楽しむか!という驚きのレベルまで達している。・・・個人レベルでは、お互いに喘息持ちらしいので親近感も感じている^^;
ただ、この著者とは日本酒に対する考えが若干違う。著者のHPに「反論等は自分のところに書け」とあるし、わたし自身もこのBLOGを議論の場としてやっているわけではないので、その主旨には賛同する。なので、ここでわたしなりにひと言書いておこうと思う。
この著者は、糖類添加の三増酒に対しては批判的で、これはわたしも同感だ。そして、普通酒を見直そうと呼びかけている。また、「煮酒(調理用のお酒)」として廉価なお酒を販売せざるを得ない蔵元に対して一定の理解を示している。この点に関して、わたしは少し考えが違う。
わたしはいまの純米酒を普通酒として扱い、いまの普通酒と本醸造にははっきり「アルコール添加」と記載すべきだと思っている。さらに、糖類添加酒は日本酒と名乗らせることさえ反対だ。ビールに対する「発泡酒」のように品質を正しく表記すれば、消費者が自分で判断して買うはずだ。・・・日本酒業界は、品質に関してもっと積極的に情報公開すべきだし、啓蒙普及すべきだと思う。そして、明確に品質表記し、消費者に選択の自由を与えるべきだ。これで、「日本酒を飲むと翌日、悪酔いする」といった誤解は生まれなくなるし、本当の日本酒ファンを獲得できるようになるはずだ。
また、中小の蔵元が近隣の飲食店に販売せざるを得ない煮酒に関しては、「料理酒」として税率を下げるなど業界としての対処をして欲しい。ハッキリ言って、「糖類」などという得体の知れない物(ここでいう糖類とは、化学薬品などを含めたその他の原材料という意味)を混ぜたお酒を料理に使い、果たしてまともな料理なのかさえ疑いたい。それなら、普通に化学調味料でも使ってもらった方がまだ安心できる。
混ぜ物をした不当なお酒を普通酒などと呼び既成事実化し、品質を隠蔽する体質を改善しなければ、日本酒が生き延びる方法はないと思う。単に容量の少ない容器に変え、デザインバリエーションを増やした程度の「カップ酒ブーム」を神風のようにありがたがっていては、未来はない。肝心のお酒の品質がデタラメであれば、こんなブームは一過性のものとしてすぐに消えさってしまうはずだ・・・。
●いままでに読んだ本は「山の図書館・アメダゼ文庫」を見てください。たまにしか更新してないけど・・・。