◆山小屋から水が得られる場合はともかく、雨男は湧き水や流水を「水場」としてアテにしてはいけません。ルート上に営業小屋があれば、水が入手可能かどうか、入山前に忘れずに確認しておきましょう。ただ、幕営指定地は営業小屋に隣接していることが多く、こういった幕営指定地の水場は整備されていて、雨天でもほぼ確実に使えると考えていいと思います。
◆しかし、行動中にルート上にある水場から補給する場合や、無人の避難小屋しかない場合などは、雨天での水補給に苦しむ場合があります。沢水を使おうにも、雨で増水した沢は濁っていて、一度沸騰させて消毒したとしても飲用に使うには勇気が必要です。また、激流と化した沢から水を汲むには、文字どおり命がけで水を汲むことになり、思わぬ危険を伴います。
また、湧き水だから濁りはしないという保証もありません。水場の形状によっては、地表を流れてきた泥水が必然的に混ざってしまうこともあります。また、浅いところからの湧き水は、湧き水そのものが混濁している場合もあります。
まわりに雨という水がたくさんありながら、雨水はなかなか自由になりません。翌朝の水を手に入れようと、コッヘルをテントの外に夜間出しておくと、意外に溜まることがあります。しかし、強風でコッヘルそのものが飛ばされることもあるので要注意です。テントのフライシートを使ったり、傘を逆さにしたり・・いろいろ試してみましたが、短時間で雨水をためる方法は意外とないのが実際のところです。
◆同様の理由で、食料計画も考える必要があります。日帰り登山や小屋泊まりであれば特に問題はありませんが、テント泊では事前の備えが必要になります。
テント泊の場合、荷物が必然的に重くなるため、自然に食料の軽減化を考えます。そのため、フリーズドライ食品やインスタントラーメンといった、重量の軽い食品を選ぶことになります。しかし、フリーズドライ食品は、清潔な水がなければ食べられません。
これに対して、レトルト食品は水分を含んでいるため重量は多くなりますが、飲用不適の池の水でも、最悪の場合は泥水であっても温めさえすれば食べることができます。
雨男たるもの、2泊3日の山行であれば、1日分くらいは清潔な水なしで食べられる食料を用意しておいた方がいいでしょう。