●橋があっても増水時は渡れないこともある。
沢登りに関していえば、雨天時の入山は「自殺行為」だと思います。ここでは、沢筋につけられた一般道を対象に考えます。
沢沿いのルートでは、当然、沢の増水に注意しなければなりません。河原の石だらけのルートであれば、湿った石が滑りやすくなります。また、丸木橋なども滑りやすくなり、渡るときには慎重さが求められます。増水が激しく、橋を水が洗っているような状況では、橋を渡ることができない場合もあり得ます。
また、増水時の渡渉も「自殺行為」です。渡渉ができない場合、停滞もしくは計画の変更を余儀なくされます。
幕営時に沢水を水場としてあてにしていた場合、水の入手が困難になる場合があります。「雨男の山行五箇条/4.水は余裕をもって背負う」参照のこと。
●対処法
増水時のマキ道がある場合は、安全を第一に考え、迷わずマキ道を進むべきです。もちろん足元が滑りやすいので、慎重に行動しなければなりません。
万一、ルートの途中に渡渉がある場合は、絶対に無理は禁物です。雨が下山時まで続くようであれば、エスケープルートを利用しなければなりません。こんな場合のためにも、ルート上に渡渉があるときは、入山前にエスケープルートを確認しておかなければなりません。もし、適当なエスケープルートがなければ、天候の回復と水量が減るのを待つしかありません。場合によっては、いさぎよく往路を引き返すことになります。
いわゆる「鉄砲水」には遭ったことはありませんが、長年、奥鬼怒の温泉に通って、鬼怒川上流の河原の様子を各シーズン眺めて、氾濫した急流の威力は想像以上のものがあると確信しています。もし、降っている雨に対して増水が少ないと感じた場合は、上流で水が蓄えられていると考えて、早めにマキ道に上がるようにするべきです。